編集者・ライター

1990年 1月23日生まれ、北海道函館市出身。 

2010年 札幌市の短大を卒業、同市の保険会社に就職。

2012年 編集者を志すきっかけを得、上京資金を貯めるため実家のパン工房店に勤務。 

2014年 Concent編集部(現:ヒャクマンボルト)に編集者・ライターとして勤務。

2015年 株式会社プレスラボに編集者・ライターとして勤務、現職。

 

■あくまでもメインは編集者

 

――まずは、今の肩書を教えてください。

 

編集者・ライターです。この肩書の順序には明確なこだわりがあって、私は編集者のほうをメインと考えてるので、必ず先に書くようにしてるんです。

仕事量も8・9割が編集として、残りがライターとしての稼働。

だけど、今後はライターとしての仕事も増やしたいと思ってます。

 

――それは、今後ライター業の比重を高くしていくため?

 

というより、あくまで編集者としてのスキルアップのため。以前、先輩編集者が「書き手として一人前でないと編集者はできない」と言っているのを聞いて、なるほどと腑に落ちたんです。

書いたものに対して赤字を入れてもらうのがやっぱり一番伸びるから、今後はそういう機会を、それも会社の外のいろんなタイプの編集者の方に赤字を入れてもらう機会をたくさん作っていきたいです。

 

――なるほど。今の仕事は、子供の頃からの夢?

 

目指すきっかけがあったのは社会人になってからでした。札幌で保険の外交員をやってた22歳のときに、たまたま女性ファッション誌の取材に協力する機会があって。「全国の都市部の20代女子のコスメポーチの中身を拝見」みたいな企画だったんですけど、そのとき初めて雑誌を作ってる人たちがいるんだということをちゃんと意識して、私のやりたいことはこれだ! と思い立って。すぐに会社を辞めて、実家のパン工房店を2年手伝ってお金を貯めて、上京しました。

上京してすぐにConcent編集部(現:株式会社ヒャクマンボルト)の面接を受けて、1週間後にはもう働いてました。それが晴れて編集者・ライターとしてのデビュー。

 

木村の側面

 

■一番楽しいのは「想像を超えたとき」

 

――仕事をする中で一番楽しいと感じる瞬間は?


ライターさんやカメラマンさんのお仕事が想像を超えてきたとき。

ライターさんなら、自分では絶対に思いつかないようなクスリと笑えるフレーズがあったり、写真にちょっとした加工をしてくれるといった丁寧な仕事が見られたりすると感動します。

初稿が上がってきて、リード文を読む瞬間は今でも一番ワクワクする瞬間ですね。

 

カメラマンさんなら、状況が一目でバチッと伝わるような写真だったり、お願いしておいた以外にもアザーカットを撮っておいてくれたりとか。「おお! こんな風に見えてたんですね!」と、テンションがあがります。

 

――仕事を通して実現したいことや、折れたくない、譲れないことなどはありますか?

 

まだ世に広く知られていない、けれど知られるべきだと感じることを正しく知らせたい。

それを通じて世の中がハッピーになったらもちろんうれしいけど、まずは「知らせる」ということが大事だと思っています。

 

――「小さな声を届ける」というコンセプトを掲げたメディアであるBAMPの考え方と通じるものを感じます。

 

そう、BAMPは私が人生レベルで達成したいこととかなりベクトルが近いから、ローンチしたときは本当にうれしかったです。

 

――「知らせる」上で、気をつけていることは?

 

さっきも言った「正しさ」は自分の中で大きい指標になっているかもしれないです。謙遜するでもなく、過剰に演出するでもなく、ありのままのよさを正しい姿で伝えたい。

私の担当する仕事に企業のPR案件が多いことがそれと繋がるのかもしれないです。

そういった案件で優先されるのは、企業の魅力を誤解なく読者に伝えるということなので。

ライターさんとのやり取りでも、「自分がこういう記事にしたい」というのではなく、「こっちのほうがよりクライアントの言いたいことじゃないかな」とか、「このほうが魅力がちゃんと伝わるんじゃないかな」いうのを骨子にして記事作りをするようにしてます。

反面、作り手へのリスペクトが足りないクライアントに対しては意見するときもあります。先輩から言われたことがあるんですが、私、メールの文面に怒ってるのがにじみ出ているらしくて(笑)。それでトラブルになったことはないし、そのままでいいと思うよって先輩には言ってもらえたんですけど。

 

――自分の得意分野だと思うことは?

 

やっぱり企業や人の思いを代弁するような案件ですね。「あなたたちこんなに魅力的なところがあるんだから、ここを打ち出していきましょう!」っていうのを提案するときが一番自分の能力を発揮できると思ってます。

 

――過去の仕事で特に思い入れのあるものは?


もちろんそういう企業の声を届けるような案件もそうなんだけど、小山健さんのエッセイ『お父さんクエスト』(ポプラ社)で、初めて書籍の奥付に自分の名前が載ったときはうれしかったです。

 

――あとは、動物好きであることを活かした仕事もいくつかありますよね。

 

うーん……動物に関するものはありあまる愛の発露でしかないというか、あんまり仕事と思ってないです。


――仕事だよ。仕事と思えよ。

 

木村の笑顔

 

■尊敬する3人の先輩たち

 

――業界内で尊敬する先輩は誰かと訊かれてパッと思い浮かぶのは?

 

カツセマサヒコさん、徳谷柿次郎さん、サカイエヒタさん。

もちろん、現在勤めている会社の代表取締役である梅田さんも尊敬している方なのですが、「先輩」とはちょっと違うので……。これまで特に多く関わってきてる人たちというのもあって、この3人です。

 

――それぞれどういう魅力を感じていますか?

 

カツセさんは、書き手としても編集者としても本当に能力が高い。Twitterでのキャラクターなんかについて、よくない言われ方をすることがあると思うんだけど、その何枚も上手な考え方をしてるし、それをストイックに貫いてる。

それに、編集されるときって、気持ちいい赤入れとそうでない赤入れがあると思うのだけど、カツセさんのは本当に気持ちいい。納得できるし、よりよい記事になっていくのが実感できるんです。

 

――次に、柿次郎さん。

 

柿さんは、とにかくあのパワー。

 

――業界の周辺の人たちから本当によくその柿次郎さんの「パワー」がすごいという話を聞くのですが、その「パワー」というものの正体はなんなんでしょう。例えば「バイタリティ」と言い換えられるものなのか? とか。

 

巻き込み力、みたいなものだと思います。「柿さんが言うなら」で人が動くところ。やることに仕事なのか遊びなのかの境界線がなくて、絶対に手を抜かない。そして、巻き込まれたら絶対に楽しいことが起こる場を用意してくれる。そんな感じかな……。

 

それと、勝手に自分を重ねたところもあります。

柿さんが以前、ブログかな? どこかに書いてたことなんだけど、バーグハンバーグバーグにいた当時の柿さんは「おもしろ」の化物集団であるあの場所で「お前は何をやってもすべってる感が出る」と言われ続けて、悔しくて自分にしかできないことを探したと。

そこにConcent編集部にいたときの私と近いものを感じたんです。バンバンいい企画を思いつける人やバリバリ仕事を持ってこられる人に対して、自分はそういう武器が何もない。「普通コンプレックス」のようなものを抱えたまま、編集者として働いてきたんです。

だからこそ、特殊な能力があるわけではない普通な自分にできることってなんだろうというのをずっと考えてきたので、独自の道を作ってきた柿さんの姿に感じ入るものがあります。

 

――最後に、サカイさんについては。

 

サカイさんは、そもそも私が最初に知った「Webでコンテンツを作ってる人」で、最初の師匠。今でも企画を立てるときは、サカイイズムを意識しているし、今でもサカイさんの立てる企画は本当に美しくて好きなんですよ。誰も傷つけない、体温のある笑い。

この間サカイさんと話したときに、「いりちゃんを見ていて、普通の人がWeb編集者をやる意味を初めて見い出せた」と言ってくれて。

サカイさん曰く、それまでは「尖った人こそ正義」みたいな風潮があったけれど、それだけじゃない、そういうおもしろ至上主義的な人以外にも役割はあると気づいたと。

「『普通』をちゃんと理解して、それを武器にしていこうとしてたところはいいなあと思った」と言ってもらえたのは、それは、私が意識してやってきたことが伝わってたのかなと思って、とてもうれしかったです。

 

木村のアップ

 

■今後について

 

――では、今後についての話を。今後やっていきたいのはどんなことですか?

 

目先の目標としては、外部のいろんな編集者さんと組んで仕事をすること。赤入れを通して経験を積んで編集者として成長していきたいし、尊敬する人たちと関係を構築していきたいです。

 

――「つくるひと」メンバーの中で、すでに一緒に仕事をしたことがある人って誰かいますか?


だんごさん、あとはヤンスと少しだけ。他は……今のところいないかなあ。

 

――長橋諒という人間がいるけど……

 

忘れてた(笑)。 ※長橋諒はConcent編集部時代の同僚

 

――最後に、今後一緒に仕事してみたい人は?

 

やっぱり仕事柄、一緒に動くのは圧倒的にカメラマンとライターさんばかりなので、ライター・カメラマンのみんなと一度組んでみたいと思ってます。

それ以外のポジション、例えばデザイナーさんとかだと、うちの会社にアサイン権限がなかったりするから。

 

――特にこういうテイストがいいとか、こういうスキルのある人がいいというのは何かありますか?

 

……やっぱり取材に強い人ですね。インタビューが好きなライターさん、人物を撮るのが得意なカメラマンさんだと一緒にお仕事できる機会も多いと思うので。

みんなと一緒に働けるのを楽しみにしてます。(ライター:渡辺雅史)

 

振り返る木村

【Relation】

 

鈴木梢:プレスラボでの同僚。社歴では後輩に当たるが業界歴では先輩。

長橋諒:Concent時代の同僚。PCを借りパクられてる被害者と加害者の関係でもある。

カツセマサヒコ:プレスラボの元先輩。師匠であるサカイエヒタの過去ツイートを漁っては、その良さを共有しあうイベントが定期的に発生する。